第18回 鳥取工芸の会 作品展
2010.8/27(Fri)〜8/31(Tue)
出展作家
<陶芸> 小林孝男(牛ノ戸焼) 河本賢治(福光焼) 矢田彰儀(黒見焼) 植田禎彦(波賀焼) 平田俊之(浦富焼)
<染織> 西尾正道(絞り) 服部麻知子(織り)山口邦子(型染)
<ガラス>北里由利 <竹工> 齋江範人
ー 満ち足りた心呼び覚ます ー
「互いに刺激しあい、地元工芸のレベルアップ」を図りながら、「美しき工芸の国をつくりたい」として、鳥取工芸の会が結成されてから19年になる。これまで多少のメンバーの入れ替えはあったものの、このたびは10人が意欲的な作品をみせる。
陶芸では、黒と緑の染め分けで知られる牛ノ戸焼の小林孝男、重厚で独自の風合いを醸し出す福光焼の河本賢治、暮らしに溶け込んだ魅力をあわせ持つ黒見焼の矢田彰儀、ぬくもりと情念を漂わせる波賀焼の植田禎彦、それに淡彩で清楚な作品を引っ提げて、浦富焼の新鋭平田俊之が加わる。
染織では、ダイナミックな中に繊細さをのぞかせる絞りの西尾正道、清新なやわらかさを追求する織りの服部麻知子、すがすがしい新鮮なデザインをみせる型染めの山口邦子。清澄な優しさに覆われるガラスの北里由利、手抜きのない丁寧な仕事にこだわる齋江範人。
彼らに共通していえることは、単なる伝統の再生ではなく、伝統を踏まえた安易な妥協のない新たな創造である。それゆえ、作品からは生命の息吹が伝わってくるし、忘れられつつあるつつましさや人情、そして精神風土の一端さえも見え隠れする。
風土が人をはぐくむというが、日本海の波に洗われ、風雪に清められた山陰では、素朴で豊かな人間性が培われてきた。決して器用とはいえないが、生きるということ、生きているということは、上手に立ち回ることではなく、自らに忠実でいちずに執着し続けることであるという、継続は力なり≠改めて教えられたような気がする。
常に新しい工芸のあり方を模索しながらも、確固たる信念や美意識に貫かれた作品に接していると、あたかも自分探しの暗示を与えてくれるようにも思えるし、何よりも癒され、ほのぼのとした安らぎの空間へいざなってくれる。
彼らの発するメッセージに耳を傾け、温かな手仕事に触れながら、当たり前のありがたさ、生きがいとは何かを考え、ふるさとに思いをはせてもらいたい。満ち足りた心を呼び覚ますために…。
(文芸史家・竹内道男、鳥取市)
2,010年(平成22年)8月25日水曜日 日本海新聞掲載記事
作家紹介
小林孝男(牛ノ戸焼)
昭和初期、四代目秀晴により民芸運動参加。黒と緑の染め分けを主に器を製作。
河本賢治(福光焼)
丹波、故生田和孝に師事。1980年倉吉に登窯築窯。心安らぐ器作りを目指す。
矢田彰儀(黒見焼)
因州中井窯にて修業。昭和47年倉吉黒見に築窯。暮らしに溶け込む器を作る。
植田禎彦(波賀焼)
山下碩夫・清水俊彦両氏に師事。1990年築窯。素朴で温か味のある器を目指す。
平田俊之(浦富焼)
2000年故山下碩夫に師事。白磁・染付・黒刷毛を主に生活に即した器を製作。
西尾正道(絞り)
小島悳次郎に師事。1980年佐治にて独自の絞り「西尾絞り」を始める。
服部麻知子(織り)
小谷次男・井口隆夫両氏に師事。2005年、南部町に工房を開く。
山口邦子(型染)
女子美術大学工芸科にて、柚木沙弥郎氏に師事。素朴な作品づくりを心掛ける。
北里由利(ガラス)
1981年より宙吹きガラスを学ぶ。1993年境港に築炉。ガラス工房北里設立。
齋江範人(竹工)
別府市で竹細工を始める。鳥取市に工房を開く。心に留めて貰えるモノを作る。
出展作家
<陶芸> 小林孝男(牛ノ戸焼) 河本賢治(福光焼) 矢田彰儀(黒見焼) 植田禎彦(波賀焼) 平田俊之(浦富焼)
<染織> 西尾正道(絞り) 服部麻知子(織り)山口邦子(型染)
<ガラス>北里由利
<竹工> 齋江範人
ー 満ち足りた心呼び覚ます ー
「互いに刺激しあい、地元工芸のレベルアップ」を図りながら、「美しき工芸の国をつくりたい」として、鳥取工芸の会が結成されてから19年になる。これまで多少のメンバーの入れ替えはあったものの、このたびは10人が意欲的な作品をみせる。
陶芸では、黒と緑の染め分けで知られる牛ノ戸焼の小林孝男、重厚で独自の風合いを醸し出す福光焼の河本賢治、暮らしに溶け込んだ魅力をあわせ持つ黒見焼の矢田彰儀、ぬくもりと情念を漂わせる波賀焼の植田禎彦、それに淡彩で清楚な作品を引っ提げて、浦富焼の新鋭平田俊之が加わる。
染織では、ダイナミックな中に繊細さをのぞかせる絞りの西尾正道、清新なやわらかさを追求する織りの服部麻知子、すがすがしい新鮮なデザインをみせる型染めの山口邦子。清澄な優しさに覆われるガラスの北里由利、手抜きのない丁寧な仕事にこだわる齋江範人。
彼らに共通していえることは、単なる伝統の再生ではなく、伝統を踏まえた安易な妥協のない新たな創造である。それゆえ、作品からは生命の息吹が伝わってくるし、忘れられつつあるつつましさや人情、そして精神風土の一端さえも見え隠れする。
風土が人をはぐくむというが、日本海の波に洗われ、風雪に清められた山陰では、素朴で豊かな人間性が培われてきた。決して器用とはいえないが、生きるということ、生きているということは、上手に立ち回ることではなく、自らに忠実でいちずに執着し続けることであるという、継続は力なり≠改めて教えられたような気がする。
常に新しい工芸のあり方を模索しながらも、確固たる信念や美意識に貫かれた作品に接していると、あたかも自分探しの暗示を与えてくれるようにも思えるし、何よりも癒され、ほのぼのとした安らぎの空間へいざなってくれる。
彼らの発するメッセージに耳を傾け、温かな手仕事に触れながら、当たり前のありがたさ、生きがいとは何かを考え、ふるさとに思いをはせてもらいたい。満ち足りた心を呼び覚ますために…。
(文芸史家・竹内道男、鳥取市)
2,010年(平成22年)8月25日水曜日 日本海新聞掲載記事
作家紹介
小林孝男(牛ノ戸焼)
昭和初期、四代目秀晴により民芸運動参加。黒と緑の染め分けを主に器を製作。
河本賢治(福光焼)
丹波、故生田和孝に師事。1980年倉吉に登窯築窯。心安らぐ器作りを目指す。
矢田彰儀(黒見焼)
因州中井窯にて修業。昭和47年倉吉黒見に築窯。暮らしに溶け込む器を作る。
植田禎彦(波賀焼)
山下碩夫・清水俊彦両氏に師事。1990年築窯。素朴で温か味のある器を目指す。
平田俊之(浦富焼)
2000年故山下碩夫に師事。白磁・染付・黒刷毛を主に生活に即した器を製作。
西尾正道(絞り)
小島悳次郎に師事。1980年佐治にて独自の絞り「西尾絞り」を始める。
服部麻知子(織り)
小谷次男・井口隆夫両氏に師事。2005年、南部町に工房を開く。
山口邦子(型染)
女子美術大学工芸科にて、柚木沙弥郎氏に師事。素朴な作品づくりを心掛ける。
北里由利(ガラス)
1981年より宙吹きガラスを学ぶ。1993年境港に築炉。ガラス工房北里設立。
齋江範人(竹工)
別府市で竹細工を始める。鳥取市に工房を開く。心に留めて貰えるモノを作る。