かつて学び舎で、もしくは職場で時間を共有していた 平面・クラフト作家 9名による展覧会。
■出展作家
【岡山】糸日谷晃(木製玩具)、関野智子(油絵)、関野倫宏(木製玩具)、十河隆史(陶器)、延原さとみ(ニードルフェルト)、 野宮謙吾( 構成デザイン ) 【島根】佐野行徳(版画)、山口千恵子(日本画)、【香川】丸池里佳(グラフィックデザイン)
鳥取での出会いに期待
同じ時代を生き、同じ場所にいた。あるいは今、職場や生活を共にしている。そんなつながりから、作品ジャンルや日頃の発表の場が異なる9人が集う。挨拶の言葉をそのまま展覧会タイトルに選んだ彼らについて、鳥取出身の私から紹介したい。
私は現在、岡山大学教育学部で美術教育を担当している。十数年前、初めての授業を受けてくれたのが関野(旧姓・佐藤)智子さんと山口千恵子さん。当時から佐藤さんは油絵、山口さんは日本画の制作に打ち込んでいた。
二人が岡山大学大学院に進んだ頃、教育現場や企業で働く卒業生が大学院に入る例が相次いだ。野宮謙吾さんと丸池里佳さんはグラフィック・デザイン、十河隆史さんは陶芸の研究を深めた。また、大分大学から進学してきた佐野行徳さんは現代美術に関心を持ち、版画に取り組んだ。
院生室は活気に溢れ、いつも何か共通の話題があり、笑い声が絶えなかった。彼らの自主的なグループ展は大学院修了後も続いている。回を重ねるたび、各々が独自の世界を確立しつつあることがわかり、頼もしい。
現在、野宮さんは岡山県立大学准教授、丸池さんは香川県高松市で印刷会社ディレクターを勤めている。十河さんは岡山県玉野市に窯を築き、工房を営む。島根県の大根島にアトリエを構えた佐野さん、パートナーの山口さんも制作活動を続けている。
日展、光風会、昭和会などで活躍する新進画家となった佐藤さんは、関野倫宏さんとの結婚を機に、昨年、鳥取県と境を接する岡山県西粟倉村に移住した。
関野さんは、木製玩具作家を志して東粟倉村にあった現代玩具博物館のスタッフとなり、現在は西粟倉村の森と林業の再生をめざすプロジェクトに参加している。同村に若い移住者が増えていることは全国的にも注目されているが、背景にはそんな取り組みがあるのだ。
現代玩具博物館は今春、美作市湯郷に移転。現スタッフの糸日谷晃さんも、木製玩具・からくり作品による地域おこしの活動を行っており、延原さとみさんはヨーロッパ発祥のニードルフェルトを手がけている。
糸日谷さんと関野さんが、2年前にギャラリーあんどうでの展覧会に参加したことが縁となって、今回の企画が持ち上がった。
出展作家の多くは、東京などでの発表、例えば公募展や画廊・デパートでのグループ展や個展を経験する一方で、地域の持つ可能性を模索している。彼らが求める新しい出会いは鳥取にもあるはずだ。会場を訪れる方々と、同じ時代を生きてきたことを確かめながら、作品を通して何らかのつながりを見いだしたいと彼らは期待している。ぜひ多くの皆様にご覧いただけたらと、私も願っている。
(岡山大学大学院 教育学研究科 准教授・赤木 里香子)
2010年(平成22年)8月31日火曜日 日本海新聞掲載記事
学び舎で、もしくは職場で、かつて時間を共有していた9人。作家として時間を重ねこのたび作品と共に鳥取で再会する−。 出展するのは現在、島根・岡山・香川を拠点に活躍する平面・クラフト作家。
確立されつつあるそれぞれの表現と同時に、底辺に流れる共通項を感じて欲しい展覧会だ。
さんいんキラリ9月号(2010 No19)掲載記事)
糸日谷晃(木製玩具)
関野智子(油絵)
関野倫宏(木製玩具)
十河隆史(陶器)
延原さとみ(ニードルフェルト)
野宮謙吾( 構成デザイン )
佐野行徳(版画)
山口千恵子(日本画)
丸池里佳(グラフィックデザイン)
かつて学び舎で、もしくは職場で時間を共有していた 平面・クラフト作家 9名による展覧会。
■出展作家
【岡山】糸日谷晃(木製玩具)、関野智子(油絵)、関野倫宏(木製玩具)、十河隆史(陶器)、延原さとみ(ニードルフェルト)、 野宮謙吾( 構成デザイン ) 【島根】佐野行徳(版画)、山口千恵子(日本画)、【香川】丸池里佳(グラフィックデザイン)
鳥取での出会いに期待
同じ時代を生き、同じ場所にいた。あるいは今、職場や生活を共にしている。そんなつながりから、作品ジャンルや日頃の発表の場が異なる9人が集う。挨拶の言葉をそのまま展覧会タイトルに選んだ彼らについて、鳥取出身の私から紹介したい。
私は現在、岡山大学教育学部で美術教育を担当している。十数年前、初めての授業を受けてくれたのが関野(旧姓・佐藤)智子さんと山口千恵子さん。当時から佐藤さんは油絵、山口さんは日本画の制作に打ち込んでいた。
二人が岡山大学大学院に進んだ頃、教育現場や企業で働く卒業生が大学院に入る例が相次いだ。野宮謙吾さんと丸池里佳さんはグラフィック・デザイン、十河隆史さんは陶芸の研究を深めた。また、大分大学から進学してきた佐野行徳さんは現代美術に関心を持ち、版画に取り組んだ。
院生室は活気に溢れ、いつも何か共通の話題があり、笑い声が絶えなかった。彼らの自主的なグループ展は大学院修了後も続いている。回を重ねるたび、各々が独自の世界を確立しつつあることがわかり、頼もしい。
現在、野宮さんは岡山県立大学准教授、丸池さんは香川県高松市で印刷会社ディレクターを勤めている。十河さんは岡山県玉野市に窯を築き、工房を営む。島根県の大根島にアトリエを構えた佐野さん、パートナーの山口さんも制作活動を続けている。
日展、光風会、昭和会などで活躍する新進画家となった佐藤さんは、関野倫宏さんとの結婚を機に、昨年、鳥取県と境を接する岡山県西粟倉村に移住した。
関野さんは、木製玩具作家を志して東粟倉村にあった現代玩具博物館のスタッフとなり、現在は西粟倉村の森と林業の再生をめざすプロジェクトに参加している。同村に若い移住者が増えていることは全国的にも注目されているが、背景にはそんな取り組みがあるのだ。
現代玩具博物館は今春、美作市湯郷に移転。現スタッフの糸日谷晃さんも、木製玩具・からくり作品による地域おこしの活動を行っており、延原さとみさんはヨーロッパ発祥のニードルフェルトを手がけている。
糸日谷さんと関野さんが、2年前にギャラリーあんどうでの展覧会に参加したことが縁となって、今回の企画が持ち上がった。
出展作家の多くは、東京などでの発表、例えば公募展や画廊・デパートでのグループ展や個展を経験する一方で、地域の持つ可能性を模索している。彼らが求める新しい出会いは鳥取にもあるはずだ。会場を訪れる方々と、同じ時代を生きてきたことを確かめながら、作品を通して何らかのつながりを見いだしたいと彼らは期待している。ぜひ多くの皆様にご覧いただけたらと、私も願っている。
(岡山大学大学院 教育学研究科 准教授・赤木 里香子)
2010年(平成22年)8月31日火曜日 日本海新聞掲載記事
学び舎で、もしくは職場で、かつて時間を共有していた9人。作家として時間を重ねこのたび作品と共に鳥取で再会する−。
出展するのは現在、島根・岡山・香川を拠点に活躍する平面・クラフト作家。
確立されつつあるそれぞれの表現と同時に、底辺に流れる共通項を感じて欲しい展覧会だ。
さんいんキラリ9月号(2010 No19)掲載記事)
糸日谷晃(木製玩具)
関野智子(油絵)
関野倫宏(木製玩具)
十河隆史(陶器)
延原さとみ(ニードルフェルト)
野宮謙吾( 構成デザイン )
佐野行徳(版画)
山口千恵子(日本画)
丸池里佳(グラフィックデザイン)